札幌教育コラム

北海道公立高校 入試問題分析➁

北海道公立高校 入試問題分析➁


出題分析【社会】



難度は昨年より易しくなっています。地理・歴史・公民の3分野から偏りなく均等に出題されています。両方が合っていないと得点にならない、受験生泣かせの「完全解答」の問題が11題ありましたが、それぞれの問題の連動性が高い出題が多く、失点につながりにくい問題でした。また記述問題は10題40点配点とかなり多いですが、聖武天皇の政治、公事方御定書、京葉工業地域の工業の特色など、一度は書いたことがあるような出題が多く、取り組みやすかったのではないかと感じます。

大問1 小問集合

地理11点、歴史11点、公民12点と3分野から均等に出題されました。取りこぼせない基本問題がほとんどでした。リアス海岸の特徴の記述は、何を書けばよいのか迷った受験生も多かったのではないでしょうか。間接金融の記述は、前述の直接金融の説明にならって書ければよいのですが、前後のつながりで迷った受験生が多かったかもしれません。


大問2 歴史分野

記述問題は「聖武天皇の政治」と「伊藤博文がドイツの憲法を調査した理由」で、いずれも書いたことが一度はあるような、お決まりの問題でした。並べかえも室町→江戸→大正→戦後と、時代が比較的離れていることがらで、やさしかったと感じます。

大問3 地理分野

基本問題が多く、記述問題は「インドのコールセンター」「京葉工業地域の工業の特色」「新潟県の気候と産業、発電」の3題でした。いずれも資料を利用した問題でしたが、内容自体はやさしく、テスト対策や受験勉強のなかで書いたことが一度はあるような問題でした。

大問4 公民分野

記述問題は「社会権が認められる背景となった社会問題」と「非正規雇用の利点と課題」の2題でした。社会は比較的、時間が足りなくなる科目ではありませんが、最後の問5、問6は、焦らず落ち着いて読み取れれば、やさしく感じたのではないかと思います。


出題分析【理科】

難度は昨年よりさらに易しくなったように感じます。化学、物理、地学、生物の4分野から均等に25点ずつ、学年配当は1年29点、2年36点、3年35点で大きな偏りはないものの、3年地学の天体が22点と配点が高い一方で、2年地学の天気と2年物理の電流と磁界の出題がなく、単元ごとの得意、不得意による差は影響が出る構成でした。

大問1 小問集合

問1の穴埋め問題は1年化学、1年生物、3年物理、3年地学から2問ずつの出題でしたが、いずれも基本問題でした。問2以降も難問はなく、二次電池、石英と長石など、暗記していれば正答が出せる問題でした。

大問2 物理分野(1年・光の現象)

問1(2)の鏡にうつって見える範囲の問題、問3(2)の光の屈折など、作図のしかたを理解していないと正答が出せない問題がいくつかありましたが、複雑な条件の読み取りなどはありませんでした。昨年、出題がなかった1年物理でしたが、受験対策で演習量を積めたかどうかで差がつく出題だったのではないかと思われます。

大問3 生物分野(2年・動物のからだのつくりとはたらき)

消化と吸収、だ液のはたらきからの出題でした。ヨウ素溶液とベネジクト溶液を用いた、スタンダードな実験の問題でした。記述問題が3問、12点配点で出ていましたが、問2(2)、問3(3)は差がつくかもしれません。

大問4 地学分野(3年・太陽の観察)

太陽の黒点の作図の問題は新鮮で、太陽の緯度、経度という説明を落ち着いて読み取れたかどうかがポイントでした。記述問題の1題はやさしい問題でした。計算問題が2題出題され、太陽の自転周期の計算問題ははじめての受験生も多かったのではないかという問題、地球から月までの距離の問題は桁が大きな計算で、この2題は差がつくかもしれません。

大問5 化学分野(2年・炭素を用いた酸化銅の還元)


問2の気体に含まれている二酸化炭素の量から気体の密度を考える問題は、選択肢も多く、この問題までに時間に余裕をつくれなかったときに手がかりを整理しにくい問題でした。問3、問4はグラフから過不足なく反応する割合を求め、質量保存の法則から発生する気体の質量を求める応用問題ですが、公立入試ではよく出題される問題で、受験勉強のなかで一度は類題に触れたことがある受験生が多かったのではないかと思われます。

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